2001年度、私の選んだワーストテンです。例によって、面白くなりそうだと期待を抱かせながらその期待を大きく裏切った作品に対しては厳しいスタンスで臨んでおります。対象期間はベスト20と同様、'2001年1月〜12月としました。なおアンダーライン付の作品名をクリックすれば作品批評にジャンプします (戻る場合はベスト20と同様、ツールバーの「戻る」を使用してください)。 では発表します。

順位 作  品  名 監    督
パール・ハーバー マイケル・ベイ
千年の恋 ひかる源氏物語 堀川 とんこう
RED SHADOW 赤影 中野 裕之
走れ!イチロー 大森 一樹
BROTHER 北野 武
アトランティス 失われた帝国 ゲイリー・トゥルースデイル/カーク・ワイズ
シベリア超特急2 水野 晴郎
恋はハッケヨイ! イモジェン・キンメル
弟切草 下山 天
10 ウルトラマンコスモス 飯島 敏宏
ファイナル・ファンタジー 坂口 博信

 

 ワーストワンは、文句なし「パール・ハーバー」。この映画のヒドさは作品評に書いたので参照して欲しい。そして付け加えると、この映画の公開後しばらくして、まったく偶然にあの“9.11全米同時テロ”が発生し、アメリカに攻撃を加えた国(あるいは組織)には、徹底報復してもそれは正義の戦いである・・・という論理が大手を振って通るようになったことと合わせて、この映画ははしなくもアメリカの戦争=正義論を補強する役割を示したのである。私は映画を政治的に意味付けするのは本来嫌いだが、そんな事まで考えてしまうほど、この映画の害毒は計り知れない。そんな映画が、どこの国でもコケている中で日本だけで大ヒットしてしまった・・・この現状にも情けなく思う。ワーストワン(しかもダントツ)にする事で、私の怒りを表わしたいと思う。
 「千年の恋 ひかる源氏物語」
のヒドさも映画評参照。昨年も書いたが、東映という会社がいかにダメな体質になっているかを、この映画は見事に(笑)表わしている。ところが、それにもかかわらず興行的には健闘しているし、なんとまあ、日本アカデミー賞の5本の優秀賞に入ってしまったと言うのだから情けない。前々から言っているように、この映画賞というのは業界の内輪褒め・ヨイショ映画賞なのだから、どんな駄作でも大手会社が社運を賭けて作った…というだけで簡単にベスト5に入ってしまうのだが、こんな事をしてたらますます日本映画にアイソをつかすファンが増えるという事を考えないのだろうか。映画の中味だけなら笑ってすませたい所だが、その受賞結果に怒りを込めて(?)ワースト2にランクしたい。
 うーむ、ちょっと加熱し過ぎたか(笑)。ちょっと頭を冷やして(笑)・・・
 3、4、5位は、どれも私が期待している作家ゆえに、あえて厳しく採点する。
 「RED SHADOW 赤影」の中野裕之、「走れ!イチロー」の大森一樹、「BROTHER」の北野武…この人たちはデビュー作以来、私が一貫して応援している作家たちである。こういう採点をするのは、それだけ頑張って欲しいからである。とにかく、次回作では是非挽回を期待したい。
 「アトランティス 失われた帝国」も、天下のディズニーがこんな作品を作っては困る…という期待ゆえのワーストである。私も、私の子供達も、ディズニー・アニメに勇気付けられ、夢と勇気を貰ったからこそ、本来のディズニーの姿に戻って欲しいと願っているのである。
 7、8位はちょっと息抜き(?)で、「シベリア超特急2」
「恋はハッケヨイ!」というトンデモ映画の珍品を(笑)。これらには怒る気もありませんし、期待も致しません(笑)。まあ好きにおやりなさいと言っときましょう。
 9位「弟切草」。単にヒドい作品。それだけです(笑)。10位「ウルトラマンコスモス」。子供観客をナメ切った態度、それが許せん。金子修介の傑作「ゴジラ」の爪のアカでも煎じて飲むことをお勧めする(笑)。
 次点は、せっかくの170億もの金を使いながら、退屈で凡庸な出来にしかならなかった「ファイナル・ファンタジー」に。
 さて、テンには入らなかったが、お奨めできないその他の凡作を、題名のみ列挙しておきます。「溺れる魚」(堤幸彦)「冷静と情熱のあいだ」(中江功)「誘拐犯」(クリストファー・マッカリー)「追撃者」(スティーヴン・ケイ)。

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