シベリア超特急2 (MIKE MIZUNO  監督)

 1作目は史上最低映画!?として逆にカルト・ムービーになってしまったが、それに味をしめたか性懲りもなく?パート2をこさえてしまった。よくやりますね。
 1作目はビデオで見たが、ヘタクソな演出、書割りみたいなセット、そして主演の水野晴郎のチョー大根演技にあきれてしまった。御本人は映画が好きで好きでたまらずに、自分で映画を作りたいという願望を果たすのは結構な事なのだが、F・トリュフォー、原田眞人という、共に批評家出身の監督がそれぞれ成功しているのに比べると、こちらのヒドさには一体映画で何を学んできたのかと言いたいくらいである。
 で、今回のパート2は前作に比べると多少はストーリーも演出もマシになった方だが、演技は相変わらずヘタクソである。なまじ他の役者がなんとかフツーの演技をしているだけに、水野サンが登場してセリフを喋りだした途端、ほとんど台本棒読み、一本調子のセリフに観客はズッこけ、深刻な場面が一転してお笑いになってしまうのにはホトホトまいった。演出も、冒頭11分のワンカット長回しシーン(多分デ・パルマの「虚栄のかがり火」かオーソン・ウェルズの「黒い罠」に対抗したつもり)があるが、デ・パルマやウェルズがカメラを始終めまぐるしく移動させてワンカットを意識させなかったのに対してこちらはただカメラを据えているだけ、何の工夫もないから単調きわまりない。まさに独り善がりとはこのことである。他の監督が演出したならまだ見れたであろうストーリーが、水野サンのヘタな演技・演出に邪魔されて全く映画を楽しめなかった。…それでも本人はノッててパート4まで計画があると言う。いやはや…。
 しかし、映画が好きで、情熱は人一倍なのに映画作家としては3流であるというこの人、どうも誰かと似ていると考えたら、あのエド・ウッドと同じなんですね。・・・つまり水野サンは日本のエド・ウッドを目指している・・・というのが結論であります(笑)。