恋はハッケヨイ!  (英:イモジェン・キンメル 監督)

 わはは、なんちゅうタイトル!。しかし一言でこの映画の中味を言い当てている(つまりラブ・ロマンス味付けの日本文化チョー誤解ヘンテコ・ムービー(笑))、実によく考えられたタイトルである(原題は“SECRET SOCIETY”、直訳すれば「秘密社会」となる)。ベスト・タイトル賞のアイデア部門賞を差し上げたい。
 お話は
、食品工場で働くおデブな女の子が、その工場内で秘密に活動している“女相撲部”に入り、練習を積んで行く中で人間的にも成長し、最後に優勝して恋人ともうまく行く・・・と、“相撲”が他の、バレーボールとか女フットボール(これも面白そう)なんかだったなら結構感動ムービーになったかも知れない。・・・のだが、こともあろうに“女相撲”ですよ。しかも、デブの女性が胸を隠しているとはいえ上半身裸で(これ見るだけでもオゾマシい?)掛け声かけてシコ踏んでたり、ドアや壁にはカタカナで「スタミナ」「バランス」(どんな意味がある?)とか「シン・ギ・タイ」(心・技・体?)とローマ字で書かれていたり、選手たちのシコ名が(字幕監修と並んで“シコ名監修”というタイトルも出てた)「舞乃カバ」「イカ桜」「パピヨン岬」と吹き出しそうなシロモノだったりで、こりゃ笑っちゃうしかない。ラストの相撲大会では、日本人の男性(!)選手相手に試合(取組か?)を行うのだが、これがまたヘンテコ、つまりまるっきり大相撲のシキタリ通りの事をやるのである。化粧回しをつけて平幕土俵入りしたり、塩をまいたり、行司はまったく大相撲そのままの装束だったり、土俵下には紋付ハカマの4人の検査役がいたり、勝った方は手刀切って懸賞金をもらう・・・といった具合。おいおいこれシロート相撲だろ(男性力士はどうみても学生で、大銀杏ではなく角刈りである)。「シコふんじゃった。」を見たら分かるがアマチュア相撲のレフェリーも審判員もシャツにズボン姿である。多分大相撲のビデオ見て、相撲の試合はプロ・アマ関係なく前述のような格好やルールが守られている…という勘違いに基づいているとしか思えない。それとも知っててワザとフザけているのか?早朝の異様な練習風景(たしかに異様だわな)を見て恋人の男が彼女らをUFOでやって来たエイリアンと誤解するシーンもあるし・・・しかしラストはちゃんとハッピーエンドのラブストーリーになっている???
 まあこれを見る時はよほどのカクゴをして見に行ってください。彼女と一緒に行って、出る時には横に居なかっても責任は持ちません(私の入った劇場では、観客は私含めて3人でした)。作っている方は案外真面目だったかも知れないが、後世にはあの「カブキマン」と並び称される珍作日本誤解カルト・ムービーになってるかも知れない、そんな作品である。トホホ・・・