弟切草  東宝:下山 天 監督)

 原田眞人監督の力作「狗神」に併映された本作品は、ガラリと変わってファミコン用ゲームソフトの世界をそのまま映画に持って来た作品(ゲームの会話ボードも画面に登場する)。従ってゲームにハマッている人にとっては面白いかも知れないが、“映画”としては実に安っぽい出来。ホラーとしてもちっとも怖くない。まあゲームと映画の融合という実験作としての値打ちはあるかも知れないが、その程度の作品である。プロデューサー・脚本にサンセントシネマワークスの仙頭武則氏が参加しているが、これまでの輝かしい作品歴(ホラーシリーズ1作目「リング」は傑作になったのだが)に傷がつく(?)シロモノである。それにしてもホラー2本立でこれほど対照的な出来になるのも珍しい。まあ1,800円で「狗神」を見て、タダでこちらを見たと思えば腹も立たないか(笑)。