ソード・フィッシュ   (ワーナー:ドミニク・セナ 監督)

 プロデューサーは、「ダイ・ハード」「リーサル・ウェポン」そして「マトリックス」で知られるジョエル・シルバー。で、やはりそれらを連想させるどでかいスケールのアクション。冒頭、「マトリックス」をさらに進化させた360度回転のマシンガン撮影であっと言わせるあたりはさすがである。中盤にはド派手なカーチェイス、終盤はアッと驚くウルトラ技での脱出劇、エンディングでドンデン返し…と、見せ場はたっぷり。タランティーノを真似たか、トラボルタが冒頭で映画「狼たちの午後」、終盤では「続・激突/カージャック」を引き合いに出して、「自分たちはあんなヘマはしない」と豪語する。こんな感じで、あれよあれよの展開とキザっぽさとアクションの派手さで退屈しない出来にはなっている。
 まあ、後でよく考えると、緻密なようで結構アナが多く、綱渡り的な計画なんだけど、勢いで見せた感じですね。多分賛否は分かれるでしょう。むしろ、映画完成後に起きた全米テロを予感させるような部分があって、そこは必見でしょうね。だけど、配給会社としてはそれを宣伝できないのがツラいところでありましょう。