キス・オブ・ザ・ドラゴン (仏/米:クリス・ナオン 監督)

 リュック・ベッソンが設立した「ヨーロッパ・コープ」の作品。主演が、ハリウッド・デビューしたジェット・リーというのが面白い。そして、これがリーの欧米進出3作目にして、一番出来がいい。
 犯罪捜査の為、パリにやって来た香港の秘密捜査官(リー)が活躍するアクション編。リーがカンフーの達人であるうえに、腕輪に仕込んだハリ(針灸の針です)も武器にして戦うというアイデアがユニーク。「ロミオ・マスト・ダイ」のようにワイヤー・アクションを多用していないのも正解。リーの本物のアクションが堪能できます。対する敵が警察内部というのも面白いし、事件に巻き込まれ、リーに助けられて彼に心を寄せる娼婦(ブリジット・フォンダ)が紅一点の彩りを見せる(しかし娼婦とは言えメイクや衣装がモッサリし過ぎ)。チェッキー・カリヨがハマリ役の凶悪な悪玉ぶりを見せる。しかし、ラストの対決は思わず「北斗の拳」を連想して笑ってしまった。ちなみにブリジット・フォンダはベッソンの代表作「ニキータ」のアメリカ版リメイク「アサシン」のヒロインを演じていましたな。
 しかしベッソン、すっかり商売人になってしまった。最近は監督作(「フィフス・エレメント」「ジャンヌ・ダルク」等)もイマイチだし…。このまま第2のジョージ・ルーカスになってしまうのだろうか。