ラッシュアワー2 (ニュー・ライン・シネマ:ブレット・ラトナー 監督)

 スマッシュヒットした前作の続編。アメリカでは前作を遥かに上回る大ヒットを記録していると言う。例によって、ただひたすらジャッキー・チェンのアクションと相棒クリス・タッカーのお喋りが全編続くだけ。それを見てるだけであれよあれよと敵は倒され、映画は終わる。ストーリーにややつじつまが合わない所があってもどうでもいい感じで、ノリの良さだけで持っているような映画である。で、見どころと言えば、久しぶりのジョン・ローンと、「初恋のきた道」「グリーン・デスティニー」で一躍脚光を浴びたチャン・ツィイーのそれぞれ悪役ぶりであろうか。ただ、ジェット・リーもそうだったが、中国人スターのハリウッド・デビューが、最後にあっけなく死ぬ悪役ばかりというのはもったいない。特にツィイーは化粧も黒づくめの衣装も似合っていない。せっかくの彼女の魅力が生かされていないのは残念である。それと、トシだから仕方ないのかも知れないが、ジャッキーの動きに往年のキレがなくなって来ているのが気がかり。まあクリスのお喋りとギャグが楽しいので、退屈はしない。ボスが墜落した後の彼の一言には大笑いしました。いつもながらのエンド・クレジットに流れるNG集も爆笑ものである(ただ、エンドクレジットの名前を見るのが楽しみの私にとってはクレジットをゆっくり見れないのが玉にキズ)。
 ただ、冒頭すぐの米大使館のあるビルが爆破されるシーンは、あのニューヨーク・テロの映像を思い出してギクッとしてしまった。なんかああした映像は、映画ファンにとってしばらくはトラウマになりそうである。