猿の惑星  (20世紀Fox:ティム・バートン 監督)

 33年前の旧作の、監督いわく、リ・イマジネーションだそうな。前作は衝撃のラストがよく出来ていて、これはそのままリメイクしてももう面白くないだろう。そこで、宇宙飛行士が猿の惑星に不時着するというコンセプト以外はまったく新しいお話にしている。旧作はこの惑星は実は地球だったのだが、今回は別の惑星のようである(地球ではないかという噂もあるが、衛星が2つあるから別の星だろう)。ツッ込もうと思えば、何で空気があるのかとか、地球のとそっくりの馬がいるのはおかしいとかいくらでもあるが、ファンタジーのお約束として気にしない方がいいと思う。猿が英語を話すのは、旧作と同じくちゃんと理由があるのだが、これがなかなかひねってあり、うまいが、未見の方の為にこれ以上は言わない。ヒントとしては時間軸のねじれが複雑にからみ合っており、途中でこんがらがる恐れがあるのでじっくりストーリーを追うこと。旧作の主人公チャールトン・ヘストンが猿のメイクでワンカット、ゲスト出演しているのもお楽しみ。彼のセリフにも注目。
 ティム・バートン作品としては、いつものバートン色はやや希薄。今回は雇われ監督に徹したようである。ネットの掲示板では、傑作と言う人、駄作と言う人それぞれでまるっきり評価が分かれている。私としては、深く考えずに気楽に楽しみました。でも傑作とも思いませんが・・・
 なお、ラストに思いっきり笑かすオチがあります。これにも賛否両論があります。私としては、これは旧作シリーズ第5作目(最終話)のラストに引っかけたジョークと考え、思わず膝を打ちましたね。理屈なんてどうでもいいと思いますよ。
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