ホーク/B計画 (ビデオ) (香港=日:ブルース・ロウ 監督)

 ミニシアターのレイトショーでちょこっと公開されただけだから、映画ファンでも見た人は少ないのではないかと思う。しかし期待していなかった分だけ面白かった、これは意外な拾い物である。
 これは、海外で活躍し、結構人気のある日本人俳優・澤田謙也の原案を、彼の主演で香港映画の雄・ゴールデン・ハーヴェスト社がまあまあの製作費をかけて作った、香港版「ダイ・ハード」とも言うべきハデなアクション映画である。それに「雨あがる」で映画界に復帰した三船史郎と、彼の息子力也も共演しているので、ちゃんと宣伝して公開すれば結構話題になって客も入ったのではないかと思う。で、なぜコソコソとしか公開されなかったかと言うと、実は悪玉が例のオ○ム真理教を思わせるカルト教団で、香港で捕まった尊師の釈放を要求して教団幹部が猛毒細菌爆弾を製造し(脅されて細菌兵器を作らされる科学者が三船史郎)、放送局に立てこもって、釈放しない時は細菌爆弾によって香港を全滅させると脅迫する・・・という、かなりアブない内容。しかも尊師の容貌がアサハラそっくりと来てるから、こりゃ公開ビビリますよね(笑)。しかし映画はカーチェイスあり、放送局内に潜入した澤田ら特殊部隊と敵との壮絶なアクションありと、まあ作りとしては、あちこちのこの手のテロリスト・アクション映画のおいしい所をつぎはぎした印象もなくもはないが(題名も「プロジェクトA」の安直なモジリ)、そこは香港映画らしく、肩の凝らない級アクション映画として十分楽しめる内容となっている。まあ少なくともわが「ホワイトアウト」よりはこちらの方が面白かったですよ。