オーロラの彼方へ  米:グレゴリー・ホブリット 監督)

 ある日、30年前に火事で亡くなった父からの声が無線機を通じて聞こえて来るという、一種のファンタジー映画なのだが、息子が父に脱出のヒントを教えたことから過去が変わってしまい、ここから俄然「バック・トゥ・ザ・フューチャーPARTU」もどきのSFになって行く(あちらも30年の時を超えて過去と未来を行き来する作品である)。「バック−」と同様、過去を変えると現在の新聞記事の内容も変わってしまうというアイデアをそのまま使っているように、明らかにこれは「バック−」にインスパイアされた作品なのだが、一旦過去を変えると、あとはどんどんハメをはずして行って、「おいおい、いいのかい」的なとんでもない方向に走り出し、ラストのオチにはひっくり返ってしまった。しかしまあ、どうせホラ話なら盛大なホラの方が面白い。全体的には父と子の愛情や思いがほのぼのと伝わる爽やかなファンタジーとしてまとめられ、こちらの方は後味スッキリ、時間テーマSFの好きな人にはおススメの佳作であります。