ダイナソー  ディズニー:ラルフ・ソンダック/エリック・レイトン 監督)

 ウーム、すごい。CG技術の進化は遂にここまで来たか・・・と唸らされる。恐竜の動きや表情は実に滑らかで、本当に生きているように見える(つまり実写のように見える)し、そこに実写で撮影した自然描写を背景にはめ込んでいるので、もうほとんど実写を見ている感覚である。もうここまで来たらこれは実写映画か、それともアニメに分類すべきかなんてどうでもよくなる。とにかく“映画”なんである(アニメは基本的に映画ベストテンに選ばないと決めている人、どうします?)。

 お話の方は、まさにディズニー。イグアノドンの卵が密林で猿に拾われ、育てられるという出だしはほとんど「ターザン」と同じ。チビ・キャラクター(猿)を狂言回しに使うという設定も「白雪姫」以来のディズニー・パターンである。ヒーローが活躍し、悪役(ティラノザウルス)を倒し、ヒロインとも結ばれて目出たし目出たしのハッピーエンド。舞台がアフリカで、主人公たちがゾウのグループという設定でもおんなじ話が作れそうである。恐竜とサルが同じ時代にいるはずがないとか、サルと恐竜が会話できるのはおかしいなんて詮索はヤボというもの。なんたってディズニーなんである。ディズニーの世界ではどんな動物同士でも全部会話ができるのであり、それが約束ごとなのである。ただ、子供に見せるには映像がリアル過ぎるのは逆に欠点かも知れない。アニメなら怖くなくても、あのティラノザウルスの凶暴さは子供にとっては怖すぎるのではないかと思える(「ジュラシック・パーク」でティラノザウルスが人間を食うところなんて、私でも怖かったもんね)。このお話なら、アニメでやった方が良かったのではないかな。難しいもんである。