チャーリーズ・エンジェル  (ソニー・ピクチャーズ:マックジー 監督)

 かつてファラ・フォーセット(なつかしい!)らの美女たちが大暴れしていたテレビのヒット・シリーズの映画化。お話は実に他愛ない、「ミッション・インポシブル」あたりでもやりそうな、いわゆる特命スパイ・アクションものの1本である。で、単なるリメイクでは面白くないと思ったか、なんとなんと最近のアメリカ・ヒット映画のいろんな要素をテンコ盛りした、ほとんどパロディと言っていい怪(?)作になっている。なんせ「M:I−2」のトム・クルーズばりにゴム・マスクで変装するわ、これもクルーズばりにハイテクで防御されたコンピュータ・ルームに忍び込むわ、「マトリックス」ばりにワイヤー・スタントで空中飛び蹴りアクションをやらかすわといった具合。まあ結論としては露出度も含めサービス満点の美女たちの華麗なアクションを楽しむだけのノー天気映画である。しかし感じることは、“香港アクションの影響をモロに受けている”と思える点で、ラストのクライマックスでは善玉も悪玉も銃を使わず、香港から呼んだワイヤー・スタント・チームによるカンフー・アクションを延々と続けたり、エンジェルの一人に東洋系のルーシー・リューを参加させ、鎖を使ったヌンチャク風アクションをやらせたりといった調子で、おまけにエンド・クレジットにはこれもジャッキー・チェン映画でおなじみ、NG集まで登場させている!。「マトリックス」にも「M:I−2」にも香港テイストが芬々で、これらの大ヒットを受け、この傾向はますます強まるのではないかと思われる。恐るべし、香港パワー!