漂流街 THE HAZARD CITY (大映:三池 崇史 監督)

 あの狂気の快作「DEAD OR ALIVE 犯罪者」の三池崇史の新作。劇場デビュー作「新宿黒社会/チャイナ・マフィア戦争」(95)とムードが似ている「不夜城」の馳星周原作という事で監督に選ばれたのだろうが、さすが三池、またしてもぶっ飛んだ怪作に仕上げた。何しろどう見てもロサンゼルス郊外の砂漠でロケしてるのに「埼玉県戸田市」と字幕が出るのである。これだけでこの作品の方向が見える。つまりは徹底して壮大なホラ話を語ろうとしているのである。だからヘリから主人公たちが新宿に飛び降りてもケロッとして悠々と歩き出したり、闘鶏場で突如「マトリックス」になったりするのである。まさに三池ワールド!。馳星周ファンは唖然とせざるを得ない。久しぶり、吉川晃司のキレた怪演も楽しい。ただ惜しむらくは、ラストがややありきたりで物足りない。・・・と思うのはこちらが「DEAD OR ALIVE−」中毒になっているせいだろうか。前作も含め、三池にやりたい放題映画を撮らせている大映の太っ腹にも感謝しておこう。(多分最後のクレジットであろう製作総指揮の故・徳間康快氏には謹んでご冥福をお祈りしたい)ちなみにあれの続編「DEAD OR ALIVE2 逃亡者」も公開待機中。待ち遠しい。