タイタン A.E. (20世紀Fox:ドン・ブルース/ゲイリー・ゴールドマン 監督)

 まずともかく、CGで描かれたメカと宇宙の超リアルな光景に圧倒される。「スター・ウォーズ/エピソードT」もSFXはほとんどCGで描かれていたけど、セルアニメで描かれた人物以外のCG部分だけ見ていると、もう実写とアニメの区別なんて不可能だと思えてしまう。それほどCG部分は実写に限りなく近い。反面、アニメ部分は'50年代のパルプ・コミック的な絵柄でどことなくレトロであるのが奇妙な味わいである。まるで実写にアニメを合成したディズニーの「メリー・ポピンズ」みたいな気分である。・・・で、物語の方はほとんど「スター・ウォーズ」1作目(エピソードWの方)とそっくりで、あちらの中ほどでデス・スターの光線により惑星アルデラーンが破壊されるくだりを最初に持ってきたのがこちらの作品だと言っても通るのではないかと思える。しかし「SW・エピソードT」がまるでつまらなかったので、久しぶりにスカッとするSF冒険ヒロイック・ファンタジーを見た気がした。やっぱりエンタティンメントはこうでなくっちゃね。地球を破壊された後の人間の哀しみが描かれていないという声もあるが、そんなエピソードでメソメソするのは日本人の悪い所である。フロンティア・スピリットでアメリカを建国したアメリカ人と、島国からなかなか出られない日本人の、根本的な違いがそこにあるではないかと思う。