ジュブナイル  (東宝:山崎 貴 監督)

 子供たちが何故か(?)、宇宙からやってきた邪悪なエイリアンと戦って勝ってしまうというトボけたSF映画である。しかも彼らを助けるのがどこから来たかも分からないチビ・ロボットで、片言の言葉を喋ったり、怪しげな乗り物を組み立てたりするあたりは「E.T.」ドラえもんの合いの子といった感じ。これも怪しげな天才科学者(香取慎吾。何故かボロ電気店を経営している?)も加わって、気分としては朝日放送日曜朝8時から放映しているお子様向けSFアクションのノリである。SFX(プレスではVFXと言っている)はかなり良くできていていて、ハリウッド製と比べても遜色ない。後半のクライマックス・シーンは迫力があり、夏休みの子供たちにとっては十分面白いだろう。ただ、いかにもチャチっぽいお話は私は感心しませんね。ネタバレになるけど、テーマとエンディングはやっぱりドラえもんでありました。VFXも兼任した監督の山崎貴はまだ36歳で、子供の時「スター・ウォーズ」を見て特撮マンになることを決心したそうだ。技術的には水準以上なのだから、次回作は大人の鑑賞にも耐える本格SFに挑戦して欲しい。「スター・ウォーズ」がそうであったように、大人の鑑賞に耐えるSFは子供たちにも絶対夢を与えるはずなのだから・・・。