レインディア・ゲーム (米:ジョン・フランケンハイマー 監督)

 「RONIN」で奇跡的な(?)復活を遂げたジョン・フランケンハイマーの新作である。こちらもなかなか面白い。刑務所を出た男(ベン・アフレック)が、亡くなった同房の友人になりすまして友人の文通相手の女性に近づくが、その友人が勤めていたカジノ襲撃をたくらむ悪人たちに友人と間違われ、違うと言っても信用されずどんどん深みにはまって行く…というクライム・サスペンスだが、あちこちに罠とどんでん返しが仕組まれていて目が離せない。脚本がよく出来ている(「スクリーム3」のアーレン・クルーガー)。配役も、謎の美女が「サイダーハウス・ルール」のシャーリーズ・セロン、悪玉のボスが「ミッション・トゥ・マーズ」のゲイリー・シニーズと豪華。どちらも前作とはガラリとイメージを変えての怪演(シニーズなど、「ミッション−」の宇宙パイロットからは想像もつかない憎たらしい悪役を楽しそうに演じている)。結末にはアッと驚かされます。後で考えるとヘンな所もなくはないが、見ている間はスピーディな演出とも相まって結構楽しめた。70歳(!)でもこれだけ頑張っているフランケンハイマー監督には改めて敬意を表したい。