風 雲 ストームライダース (ゴールデン・ハーベスト:アンドリュー・ラウ 監督)

 その点、こちらは純然たる香港製カンフー・アクション。やっぱりワイヤー・アクションは香港映画にこそよく似合う。アメリカ映画が無理に真似したってぎこちないだけなのだ(「マトリックス」が成功したのはあのアクションがコンピュータ・ゲーム世界の中だけで行われているからである)。むしろこちらは逆にハリウッドのSFX会社によるCG合成を多用し、スケールの大きなファンタジー・アドベンチャーとして成功している。ある意味ではクンフー俳優が肉体をぶつけ合うだけだった香港アクションが、今後はSFX技術を融合し新たな可能性に向かう、その転機となる重要な作品になるかも知れない。さらに特筆すべきはわが千葉真一の存在感!。こんないい俳優がここ何年も日本映画に出ていないのは大きな損失である。日本がダメなら香港でもハリウッドでも、どんどん進出して欲しい(プロ野球だって日本人選手が続々メジャーに進出している。香港の俳優・監督が大成功の今ならある程度実績のある人はかなり可能性が高いのではと思う)。…とそんな事ばかり見ている間中考えておりました。