ロミオ・マスト・ダイ  (ワーナー:アンジェイ・バートコウィアク 監督)

 「マトリックス」でまたまた株を上げたジョエル・シルバー率いるシルバー・ピクチャーズ作品。当然期待も大きいわけだが、結論から言ってありきたりのアクション映画であった。「マトリックスの進化」(!)などのキャッチは誇大広告はなはだしい(プロデューサーがシルバーということとワイヤー・アクション以外に共通点はない)。そのワイヤー・スタントにしても重力の法則を無視したシーンが散見されるのは苦笑ものである(あれでは猿之助の宙吊りだ!)。目玉のX−rayバイオレンスとやらも、骨が折れるシーン等をレントゲンで見せてるだけで、この手は25年も前に我が国テレビ「必殺仕置人」でとっくに使っているぞ。…と、いろいろけなしたけれども、香港からハリウッドに進出したジェット・リーのアクションはいつもながら流麗でカッコいいし、肩の凝らないB級アクションと考えればまあまあの作品であります。