グラディエーター (ドリームワークス:リドリー・スコット 監督)

 現在ではほとんど作られなくなった、ローマの帝政時代を舞台にした、いわゆる“史劇”アクションである。「クレオパトラ」「ローマ帝国の滅亡」など、一時は随分はやったものである。内容を聞いた時には、今頃なんでそんな古臭い話を・・・なんて思ったが、見てみるとこれがなかなか面白いのだから映画は見ないと分らない。お話は、罠にかかって追放され、家族も皆殺しにされた男の復讐の物語であるが、次々と展開するアクション・シーンの見事さにうならされるし、CGも多用したコロシアムの雄大さ、大群衆・モブシーンの迫力には圧倒させられる。「インサイダー」とはうって変わって豪放ですごく強い戦士を演じるラッセル・クロウの演技も素晴らしい。お話としては「ベン・ハー」とも似ており、その為かコロシアムの戦闘シーンに「ベン・ハー」にも登場した2頭立て戦車が出てくるのにはニヤリとさせられる(時代が違うぞ)。とにかく西洋チャンバラ映画の楽しさを久々に味わう事ができる、リドリー・スコット監督の、スペクタクル・ロマン(この言葉も懐かしい!)の快作である。