マグノリア (米:ポール・トーマス・アンダーソン 監督)

 こちらも3時間を超える長編。お話としてはロバート・アルトマンの諸作(中でも「ショート・カッツ」)を思わせる集団群像ドラマで、誰が主役と言う訳でもない。各人物のエピソードもそれぞれの人生を抱え、味わいがある。「人生には偶然がつきものである」という最初と最後のコラージュもポップな作りで面白い。が、ラストのクライマックスでとんでもないものが空から降って来るのにはブッたまげた。奇抜だがあまり効いているとは思えない(「ショート・カッツ」の最後の地震がヒントか?)。若い監督としてはお話をどう収拾するか困った結果なのだろうか。ともあれ、才気を感じさせる演出は魅力的で捨て難い。次回作に期待を抱かせる出来ではありました。(3時間は長い。もっと短ければ星の数を増やしてもいい)