スリーピー・ホロウ (パラマウント:ティム・バートン 監督)

 ティム・バートンは相変わらずクセ球勝負です。首なし連続殺人事件を追ってニューヨーク市警の警察官が登場する…という出だしはなんだか本格探偵小説の雰囲気(特に不気味にねじれた大木の根元に人間の首が無数に埋まっている絵柄は、島田荘司の「暗闇坂の人喰いの木」を連想させる)。しかしやはりバートン、後半はグンと怪奇幻想趣味に走ってしまう。青色を主体とした映像が見事。「エド・ウッド」「マーズ・アタック」と、'50年代SF、怪奇ホラー映画にこだわり続けるバートンの趣味が如何なく発揮されたゴシック・ホラーの佳作である。