奇人たちの晩餐会 (仏:フランシス・ヴェベール 監督)
これも傑作。なんと毎週1回の晩餐会に必ず1人、奇人(つまりバカ)を連れて来た者が勝ちという、それこそおバカな晩餐会がテーマ。ただしお話はその晩餐会にピッタリのバカをみつけた男の家で展開されるドタバタ劇で、元はフランスで大ヒットした舞台劇。そんな映画が面白いのかと半信半疑だったが、見てみたらこれが本当に面白い!。バカにされる男(ジャック・ヴィルレ。これがうまい!)は決して本当のアホでなく、ちゃんと税務署に勤め、最後には主人公の離婚の危機を救うなど活躍する。対してこの男をバカにするつもりの主人公の方が逆に振り回され、コケにされるという展開が最高におかしい。セリフも間も絶妙で、いかにもフランス風なユーモアに満ちた上質のコメディになっている。ただし最後で、やっぱりコイツはアホだ!というオチには涙が出るほど笑わされる。人間とはすべて愚かしい存在である…というシニカルな視点を持った快作である。 ()