JUNK 死霊狩り (ジャパンホームビデオ:室賀 厚 監督)

 4年前にハリキリ・アクションの快作「SCORE」を演出して名を上げた室賀厚監督の最新作。日本映画に珍しいスタイリッシユなアクション映画監督のホープとして期待していたのだが、目をかけてくれた奥山和由が松竹を追い出されたこともあってその後は腕をふるう企画に恵まれなかった感があった。今回は古巣のジャパンホームビデオに戻っての演出で、なんとゾンビものホラー映画。お話の前半は宝石店襲撃のギャング映画タッチで、後半の舞台がゾンビの巣の廃工場という展開は室賀が手本とするタランティーノ脚本の「フロム・ダスク・ティル・ドーン」にそっくり。この廃工場内での銃撃アクションは「SCORE」を彷彿とさせるイキの良さで、ラストはジャッキー・チェン作品やレニー・ハーリン「ロング・キス・グッドナイト」等でおなじみ爆発寸前の窓からの脱出。こういう臆面のない引用が室賀厚らしいところ。ホラーと言うよりはやっぱりドンパチ・アクションである。私は結構楽しめました。ただし予算があればもっと面白く出来たはず。この人には純粋アクションの大作を撮らせてあげたいものである。