ディープ・ブルー (レニー・ハーリン 監督)

 「ダイ・ハード2」以来「カットスロート・アイランド」「ロング・キス・グッドナイト」と最後に派手な大爆発シーンが用意されている作品を連発しているハーリン監督、(ただ後の2本はいまいちでした)今回は前半1/3で海上基地の大爆破シーンを惜しげもなく用意。お話はサメが人間を襲うというから「ジョーズ」の亜流かと思ったらちょいとちがう。遺伝子工学によって改造されたサメがハリケーンで孤立した海底基地内で次々人間を襲うという、どちらかと言うと「ジュラシック・パーク」に近いSFアクションである。いずれにせよスピルバーグ作品からかなりヒントを得ている事は間違いない。その他、いろんな映画のパロディが満載されているので映画ファンはそれを見つけるだけでも楽しい(後半、ある傑作アニメの名シーンが引用されている。答は下の付記参照)。そのうえ、人間がハイテクノロジーによって作りだした怪物に逆襲されるという現代科学の発達に対する皮肉まで盛り込んでいるあたり、ただのパニック・アクションに収まってはいない。久しぶりに楽しめたレニー・ハーリンの快作である。   

(付記)上記の、引用シーンの解答です。正解は押井守監督の「機動警察パトレイバー/劇場版」('89)。
@ ハリケーンが近づく海上基地→「パトレイバー」の台風が接近する海上プラットホーム
A ハイテクノロジーで知能を得たサメが人間に逆襲する→「パトレイバー」のテーマ、ハイテクノロジーの粋であるレイバーがウィルスによって暴走し人間社会を混乱させる。
B ラストはどちらもハリケーンが去り、晴れた海上で最後のバトルが展開する。
C 戦いが終了し、ヘリコプターが救援に駆け付けるところでエンド
   いかがですかな?ここまで似ていると偶然とは思えないのですがね。