秘 密  (東宝:滝田洋二郎 監督)

 原作は好きなので、映画として見るとも一つ不満が残る。こうしたファンタジーをエモーショナルに撮るには滝田は不向きではないかと思う(ピンク時代の「痴漢電車」シリーズや「シャ乱Qの演歌の花道」などの方がこの人の本領ではないか)。それでも灯台の見える丘での別れのシーンはホロリとしました。ただラストの改変は不満。あれでは妻のままだったという結論になってしまう。総じてもう少し面白くなる題材だけに惜しい出来である。