シックス・センス (M・ナイト・シャマラン監督)

 うーむ、この手があったかと思わせるサスペンス(ホラー?)映画の傑作(一言ではジャンルを決めにくい、全く新しいタイプの作品)。見ていない人のために、くわしくは書けないのだが、この映画の素晴らしい所は、互いに心に重荷を背負った少年と精神科医が徐々に相手を理解し合い、心を開いて行くプロセスを丹念に描いている点である。少年がラストで母に自分の秘密を打ち明けるシーンはそれ故感動的であるが、映画館の予告編にこのシーンを使っているのは問題あり。せっかくの感動がややそがれた気がする。ともあれ、弱冠29才でこんなに見事な、寸分のスキもない秀作を作り上げた(原案・脚本も自身)シャマラン監督は天才である。同時に、前掲の「マトリックス」同様、無名の新人に大作をまかせて作品的にも興行的にも大成功させてしまうアメリカ映画界の製作者たちも本当に大したものである。で、この作品のプロデューサーはと言うと、あの「E.T.」など、スピルバーグの片腕として活躍したキャスリーン・ケネディとフランク・マーシャルのコンビ。やはりさすがである。必見。