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(注1) キネ旬ベストテンを見ると、川尻の傑作「妖獣都市」(87)、「獣兵衛忍風帖」(93)、いずれも選考委員の誰一人1点も入れていない。
(注2) キネ旬増刊「映画作品・記録全集」'83年版より。 キネ旬ベストテンでは森卓也氏が3位にランク。
(注3) キネ旬'93年6月下旬号インタビューより。
(注4) りん・たろう演出作は「ラビリンス・ラビリントス」少女が猫とかくれんぼするうち不思議な迷路に迷い込むシュールな映像が素晴らしい。大友克洋演出作は「工事中止命令」 3話中では分かり易い方。ちなみにこれは大友の監督第1作。この作品を足がかりに大友は2年後、傑作「AKIRA」を監督するに至る。
(注5) 偶然だろうが、「MEMORIES」の第2話「最臭兵器」にも川尻善昭が“監修”として参加している。これについては後でも述べる。
(注6) '93年に実写版の「妖獣都市」が香港で作られているが、クモ女の造形などこの川尻作品に比べたらチャチで見ていられない(今ならCGでもう少しうまく描けるだろうけどね)。
(注7) ジェームス・キャメロンと日本製アニメとの接点については別項を参照。なお川尻監督の次作「魔界都市《新宿》」には体に開いた穴がスーッと塞がるというこれまた「T2」とそっくりなシーンがあるのである。
(注8) この作品で川尻善昭は原作・脚本・キャラクター創造・監督を一人で受け持っている。いかに力を入れているかが分かるであろう。
(注9) この前に獣兵衛が着物の両袖をビリッと破るシーンがある。この一連の行動、五社英雄監督の佳作「闇の狩人」で原田芳雄が斬り込む直前の行動とそっくりである。そう思えば冒頭のシークェンスも五社監督の「御用金」とこれまたそっくり。多分これらは敬愛する故・五社英雄に対する川尻監督のオマージュであるに違いない。
(注10) このシーンは川尻監督によると、深作欣二監督「魔界転生」からいただいたとのことである。主人公は無論柳生十兵衛である。
(注11)注7で触れたように「ターミネーター2」にはいくつか川尻作品からヒントを得たらしき形跡がある。本作に逆にこうした「T2」からのいただきがあるのは“これでおあいこだよ”という川尻監督のシャレなのかも知れない。ちょっと考え過ぎ?
(注12)「マトリックス」メイキングビデオより。
(注13)雑誌「Title」にウォシャウスキー兄弟と押井守との鼎談が掲載されており、これによると兄弟は「マトリックス」の絵コンテ作成中に押井の「攻殻機動隊」を見て、ここからいろいろアイデアをいただいたとのことである。また押井は数年前からCG技術を使えば「攻殻―」のような作品を実写で作れると何度も提言したが誰も聞き入れてくれず、「マトリックス」に先を越されてしまったと嘆いているのである。