恒例の、2023年度の私の選んだワースト作品を発表します。対象期間はベスト20と同様、2023年1月〜12月大阪公開作品です。
 但し、例年なら10本選んでワーストテンとなるのですが、2023年は劇場鑑賞本数がかなり減った事もあって、これまでのようにくだらない映画まで観る余裕がなく、ワーストに選べる作品がほとんどありません。という事で、本年はワースト7までとします。挙げた作品も例年ならテンにも入らない作品もありますので、その点はご容赦ください。
 では発表します。

順位

作  品  名 監    督
リボルバー・リリー 行定 勲
マーベルズ ニア・ダコスタ
探偵マリコの生涯で一番悲惨な日 内田 英治/片山 慎三
レジェンド&バタフライ 大友 啓史
ウィッシュ クリス・バック/ファウン・ビーラスンソーン
白鍵と黒鍵の間に 冨永 昌敬
おまえの罪を自白しろ 水田 伸生

ブロンド (VOD) アンドリュー・ドミニク

 


1位
リボルバー・リリー。ダメな点は記事を参照ください。ご都合主義の脚本、行き当たりばったりの展開、アクション・シーンの演出もテンポが悪い。綾瀬はるかがいくら頑張ってもこれではどうにもなりません。アクションを撮った事のない監督(行定勲)にまかせるからこうなるんです。若手でもいいからアクションを何本か撮って実績のある監督に任せるべきでした。

2位マーベルズ。ブリー・ラーソンはいいのに他の二人に魅力がないし、3人の人格が入れ替わるのもガチャガチャしててまったく面白くない。そもそも前日譚である配信ドラマ・シリーズを見て予習しないと分からないというのは不親切過ぎます。ポリコレにも気を使い過ぎるし、もうMCUは観る気がしないですね。

3位探偵マリコの生涯で一番悲惨な日。片山慎三が共同監督の一人という事で期待したんだけど、まったく面白くない。SFなのか探偵ものなのか風俗ものなのか、どれも中途半端で、学生が作った自主映画みたいな出来。お金を取って見せるシロモノじゃないですね。

4位レジェンド&バタフライ。時代劇なのに英語の題名という時点でダメですね。こちらにも綾瀬はるかが出ています。初夜のシーンで信長が濃姫にコテンパンにされるくだりなんて、コメディかと思いましたよ。キムタクは相変わらずキムタクにしか見えないし、信長の貫禄、オーラが全く感じられない。「るろうに剣心」の大友啓史が監督なのでスピーディなアクションを期待したんだけどさっぱりでしたね。同じ年に北野武が監督した「首」の信長(加瀬亮)が強烈だっただけに、余計こちらの信長がショボく見えます。

5位ウィッシュ。ディズニー・アニメ100周年記念作品という事で、「ピノキオ」の主題歌「星に願いを」をモチーフにした…のはいいですが、アーシャが星に祈ったら、本当に星が降りて来て…って、ギャグですか(笑)。マグニフィコ王が民衆の願いをかき集めて、それでどうするつもりだったのかもよく分からないし。そのうえアーシャが取り戻した父の願いが、ギターを弾ける事、って。自分で練習すりゃ出来るでしょうに(笑)。これが100周年映画とはガッカリです。本編前の9分のアニメ「ワンス・アポン・ア・スタジオ」がとっても良く出来てて感動しただけに余計酷さが目につきます。むしろこっちを長編に引き伸ばした方が100周年にふさわしい作品になったんじゃないでしょうか。

6位白鍵と黒鍵の間に。題名が面白そうなので期待したのですが、二人の池松壮亮の関係がよく分からないし、時間軸がどうなってるのかも分かり難い。アイデアは面白いのですが、脚本と演出がマズい為にヘンテコな作品になってしまったようです。最後に池松がゴミ溜めに落ちてからのシュールな展開なんて、何がなんだか。こういうのを独りよがりと言うのです。

7位おまえの罪を自白しろ。原作は面白いし、誘拐に政治が絡む展開は、骨太ドラマやサスペンスが得意な監督が撮ったらいい作品になったかも知れませんが、コメディを撮って来た監督(水田伸生)にこの題材は荷が重い。そもそも、尾野真知子があんな役で出て来ただけでオチが読めてしまうのはいかがなものか。ラストも腰砕けですね。

次点ブロンドネット配信のみなので次点にしましたが、劇場公開されてたら間違いなくワーストに入ったでしょう。マリリン・モンローの伝記ものですが、上映時間が長い(167分)わりに話はモタモタ、モノクロ映像や抽象的映像が混在しますが意味不明だし、史実よりもかなりフィクション部分が多い気がします。性描写も露骨だし、これでモンローの人間像に迫ったとはとても思えないですね。ただモンローを演じたアナ・デ・アルマスは熱演。見どころはそこだけです。

という訳で、昨年までのように、あんまりヒドい、と言える作品は無かったように思います。ワーストテンが揃わない方が、本当はいいんですがね。

 

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