恒例の、2020年度の私の選んだワーストテンを発表します。例年の通り、単に出来の悪い作品よりも、期待している作家がその期待を大きく裏切った場合に、厳しく採点しているケースがあります。対象期間はベスト20と同様、2020年1月〜12月大阪公開作品です。
では発表します。
順位 |
作 品 名 | 監 督 |
1 | 記憶屋 あなたを忘れない | 平川 雄一朗 |
2 | キャッツ | トム・フーパー |
3 | ファナティック ハリウッドの狂愛者 | フレッド・ダースト |
4 | サイレント・トーキョー | 波多野 貴文 |
5 | 糸 | 瀬々 敬久 |
6 | Fukushima50 | 若松 節朗 |
7 | アダムス・ファミリー | コンラッド・バーノン、グレッグ・ティアナン |
8 | デッド・ドント・ダイ | ジム・ジャームッシュ |
9 | 事故物件 怖い間取り | 中田 秀夫 |
10 | さくら | 矢崎 仁司 |
次 |
影裏 | 大友 啓史 |
1位は「記憶屋 あなたを忘れない」。お話に無理があり過ぎ。そもそもピンポイントで特定の記憶だけ消すなんて、いくらファンタジーでも不可能でしょう。特に、自分の方を向いて欲しいという勝手な願望で、頼まれた記憶だけでなく、恋人に関する幼馴染の男の記憶まで消してしまうのには唖然。演出も大袈裟で観ててシラけてしまいました。
2位の「キャッツ」。舞台の大ヒット・ミュージカルの映画化ですが、舞台劇は役者が演じる擬人化した猫を、観客が脳内で置き換えて鑑賞するから特に問題ないのですが、実写の特殊メイクで人間が演じると、何とも気持ち悪い。これは大誤算ですね。アニメなら何とか見れたでしょうが。ゴキブリ捕食シーンもリアル過ぎてオエーッとなってしまいます。
3位は「ファナティック ハリウッドの狂愛者」。オタクに対する偏見・悪意が見えて気分良くありません。特にトラボルタの服装はヒドい。トラボルタは「バトルフィールド・アース」といい、時々とんでもない駄作に出ますねぇ(笑)。
4位「サイレント・トーキョー」。物語整理が出来てなくて雑だし、人物描写が浅くて、どの人物にも感情移入が出来ません。その上原作を端折り過ぎて、何故あんな凄惨な無差別テロを行ったか、動機がまったく意味不明になってます。
5位「糸」。再会したら、普通は携帯の電話番号交換するでしょうに。それと時間の感覚が無茶苦茶なシーンが、1つならともかく2箇所も出て来ます。冒頭でまだ陽が高いうちに自転車で花火大会に向かったのに、着いたらとっくに花火終わってますし、ラストも昼間に車で出発して到着が深夜0時?何処を走ってたんでしょうか(笑)。中島みゆきの名曲が台無しです。
6位「Fukushima50」。なんか、特攻隊を賛美するような無理やり感動作仕立てが私には合いませんでした。東電と国の失態も置き去りですし。
7位「アダムス・ファミリー」。つまらなくてアクビが出ました。現代的なアレンジも取って付けたよう。
8位「デッド・ドント・ダイ」。今更古めかしいゾンビ映画ねぇ。ラストもしまらない。ジャームッシュどうなっちゃったんでしょうかね。
9位「事故物件 怖い間取り」。あの「リング」を監督した中田秀夫とは思えぬ退屈な作りにガッカリ。実話だったはずが、終盤で突然魔法ファンタジーになったのには唖然。
10位「さくら」。小松菜奈の人物設定に共感出来ませんね。行動が異常過ぎます。犬の名前がタイトルなのに全然物語に絡んで来ない、と思ったら、最後に大量のウンチで全員和解にはズッコケました。「三月のライオン」の矢崎仁司監督らしからぬ凡作です。
今年度は珍しく、洋画が4本も。日本映画はまたまた去年の繰り返しになりますが、どれも脚本がヒドい。昔のように、師匠について修行は無理としても、もっといろんな脚本読んで修練して欲しいと思います。
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