毎年恒例の、映画雑誌、あるいは各種の映画祭等で選出された各種ベストテンの紹介と
 私の感想を掲載します。(上のタイトルをクリックするとジャンプしますのでご利用ください)

 

  キネマ旬報ベストテン

日 本 映 画

外 国 映 画

順位

作 品 名 監  督

順位

作 品 名 監  督
スパイの妻 〈劇場版〉 黒沢 清 パラサイト 半地下の家族 ポン・ジュノ
海辺の映画館 キネマの玉手箱 大林 宣彦 はちどり キム・ボラ
朝が来る 河瀬 直美 燃ゆる女の肖像 セリーヌ・シアマ
アンダードッグ 武 正晴 ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 グレタ・ガーウィグ
本気のしるし 《劇場版》 深田 晃司 死霊魂 ワン・ビン
37セカンズ HIKARI 異端の鳥 ヴァーツラフ・マルホウル
罪の声 土井 裕泰 フォードVSフェラーリ ジェームズ・マンゴールド
喜劇 愛妻物語 足立 紳 ペイン・アンド・グローリー ペドロ・アルモドバル
空に住む 青山 真治 1917 命をかけた伝令 サム・メンデス
10 アルプススタンドのはしの方

城定 秀夫

10 TENET テネット クリストファー・ノーラン

(寸評)2年前から、キネマ旬報ベストテンの結果は2月5日のベストテン決算号発売日まで伏せられるという形になりました。発売日以前に知った場合でもSNS等で発表してはいけないという事らしいです。そんなに気にする事もないと思いますけどね。という事で、その決算号で分かったベストテン結果は上の通りです。
 洋画の1位は予想通り「パラサイト」。ポン・ジュノ監督初めてのキネ旬ベストワンです。こんな時に限って、これまで毎回ポン監督の前に立ちふさがっていたイーストウッド作品がベストテン圏外(笑)。それにしても、1、2位を韓国映画が独占とはねぇ。3位以下はまあ順当な所ですね。
日本映画は「スパイの妻」がベストワン。黒沢清監督にとっても初めてのキネ旬ベストワンで、それは喜ばしい事ですが、個人的にはこれより優れた作品はもっとあったと思うのですがね。それと、個人賞部門に疑問があります。というのは、脚本賞受賞者は「スパイの妻」の濱口竜介他3人が9票獲得で1位、ところが足立紳が「アンダードッグ」と「喜劇 愛妻物語」それぞれ7票づつで、結果として2位なのですが、両方足せば14票で、個人票では明らかに1位です。これはおかしいです。いつから書いた作品ごとに別集計となったのでしょうか。これまでは共作者が異なる場合のみ別集計とするケースはありましたが、単独執筆であれば複数の脚本を書いていても合算で集計していたはずです。ちなみに助演男優賞の宇野祥平は「罪の声」「本気のしるし」と選者によって対象作品が分かれましたが、こちらは合算されて集計されています。むしろ過去の脚本賞で、複数の作品を執筆している事で獲得票がぐっと伸びて受賞したケースがいくつかありました。そう考えると結果的に受賞を逃した足立さんはお気の毒ですね。今回は許すとしても、今後の為にも明確な基準を示して欲しいですね。
 という事で個人賞は以下の通り。監督賞:大林宣彦、脚本賞:濱口竜介・野原位・黒沢清、主演女優賞:水川あさみ、主演男優賞:森山未來、助演女優賞:蒔田彩珠、助演男優賞:宇野祥平、新人女優賞:モトローラ世理奈、新人男優賞:奥平大兼、外国映画監督賞:ポン・ジュノ、特別賞:野上照代。
ついでに、文化映画のベストワンは「なぜ君は総理大臣になれないのか」(大島新監督)。でも、これとか9位の「れいわ一揆」とか、“文化映画”の範疇にとても収まり切れない作品で、いっそ米アカデミー賞や毎日映画コンクールのように、別に“長編ドキュメンタリー”部門を設けてもいいような気がします。

 
キネマ旬報読者選出ベストテン

日 本 映 画

外 国 映 画

順位

作 品 名 監  督

順位

作 品 名 監  督
天外者 田中 光敏 パラサイト 半地下の家族 ポン・ジュノ
ミッドナイトスワン 内田 英治 TENET テネット クリストファー・ノーラン
コンフィデンスマンJP プリンセス編 田中 亮 ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 グレタ・ガーウィグ
スパイの妻 〈劇場版〉 黒沢 清 ジョジョ・ラビット タイカ・ワイティティ
罪の声 土井 裕泰 リチャード・ジュエル クリント・イーストウッド
朝が来る 河瀬 直美 1917 命をかけた伝令 サム・メンデス
海辺の映画館 キネマの玉手箱 大林 宣彦 はちどり キム・ボラ
浅田家! 中野 量太 フォードVSフェラーリ ジェームズ・マンゴールド
ラストレター 岩井 俊二 燃ゆる女の肖像 セリーヌ・シアマ
10 瀬々 敬久 10 ミッドサマー アリ・アスター

(寸評)読者のテンも同時発表。いつもの通り、評論家テンに入っていない作品は青字で表示しました。
 またしても昨年に続き、ヘンテコなベストテンです。1位の「天外者」は評論家選出部門では見事に0点。つまり誰も評価していないこの作品がベストワン??得点にしても20,000点以上。外国映画ベストワンの「パラサイト 半地下の家族」ですら13,464点ですからいかに異常な高得点だという事が分かります。これはもう組織票と言うしかないでしょう。2位、3位も他のベストテンと見比べても高得点過ぎます。作品の完成度よりも、なんか俳優の人気投票みたいになってます。昔の読者選出ベストテンは、評論家によるベストテンよりも的確にいい作品が選ばれていて、私などは評論家テンより信頼できると言ってたくらいなのに。もうグチャグチャですね。悲しいです。いっそしばらく、読者選出ベストテンは中止した方がいいかも知れませんね。

 

  ヨコハマ映画祭

日 本 映 画

順位

作 品 名

監  督
海辺の映画館 キネマの玉手箱 大林 宣彦
喜劇 愛妻物語 足立 紳
浅田家! 中野 量太
朝が来る 河瀬 直美
スパイの妻 〈劇場版〉 黒沢 清
アルプススタンドのはしの方 城定 秀夫
罪の声 土井 裕泰
本気のしるし 《劇場版》 深田 晃司
一度も撃ってません 阪本 順治
10 佐々木、イン、マイマイン 内山 拓也

(寸評)今年で42周年を迎える、映画ファンによる手作りの映画祭。私も審査委員です。1位が大林宣彦監督の「海辺の映画館」なのは大いに納得。「喜劇 愛妻物語」が2位につけてるのも面白い結果です。9位に「一度も撃ってません」が入ってるのも嬉しいですが、10位に「佐々木、イン、マイマイン」が入ってるのに注目。この作品は他にも新人監督賞、新人賞(藤原季節)、審査員特別賞と計4冠を獲得しているのが素晴らしい。いかにも、いつも若手新人監督に熱いエールを送るヨコハマらしい所。公開が締切直前だったのにこの高評価。私もこちらには間に合わなかったけれど当HPのマイ・ベストテンに入れただけに嬉しいですね。
 個人賞は以下の通り。監督賞=城定秀夫、脚本賞=足立紳、主演男優賞=二宮和也、主演女優賞=水川あさみ、助演男優賞=宇野祥平、緒方直人、助演女優賞=蒔田彩珠、新人賞=森七菜、藤原季節、宮沢氷魚、小西桜子、森田芳光メモリアル新人監督賞=内山拓也、審査員特別賞=細川岳と「佐々木、イン。マイマイン」、ヨコハマ映画祭大賞=大林宣彦、大林恭子。
(付記)今年はコロナの影響で表彰式が中止になりました。残念ですね。

      ヨコハマ映画祭 公式HP → http://yokohama-eigasai.o.oo7.jp/

 


(4/26 追加)
おおさかシネマフェスティバル

日 本 映 画

外 国 映 画

順位

作 品 名 監  督

順位

作 品 名 監  督
罪の声 土井 裕泰 パラサイト 半地下の家族 ポン・ジュノ
スパイの妻 〈劇場版〉 黒沢 清 異端の鳥 ヴァーツラフ・マルホウル
海辺の映画館 キネマの玉手箱 大林 宣彦 TENET テネット クリストファー・ノーラン
アンダードッグ 武 正晴 ジョジョ・ラビット タイカ・ワイティティ
37セカンズ HIKARI 燃ゆる女の肖像 セリーヌ・シアマ
朝が来る 河瀬 直美 ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 グレタ・ガーウィグ
浅田家! 中野 量太 フォードVSフェラーリ ジェームズ・マンゴールド
一度も撃ってません 阪本 順治 はちどり キム・ボラ
本気のしるし 《劇場版》 深田 晃司 1917 命をかけた伝令 サム・メンデス
10 ミッドナイトスワン 内田 英治 10 ハッピー・オールド・イヤー ナワポン・タムロンラタナリット
リチャード・ジュエル クリント・イーストウッド

個人賞:監督賞=阪本順治(一度も撃ってません)、ヴァーツラフ・マルホウル(異端の鳥)/主演男優賞=石橋蓮司(一度も撃ってません)、ソン・ガンホ(パラサイト 半地下の家族)/主演女優賞=松本穂香(君が世界のはじまり、みをつくし料理帖)、ダコタ・ジョンソン(ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢)/助演男優賞=宇野祥平(罪の声)、サム・ロックウェル(ジョジョ・ラビット)/助演女優賞=柳ゆり菜(無頼)、フローレンス・ピュー(ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語)/脚本賞=丸山昇一(一度も撃ってません)/新人監督賞=HIKARI(37セカンズ)/撮影賞=河瀬直美・月永雄太・榊原直記(朝が来る)/音楽賞=長岡亮介(スパイの妻 〈劇場版〉)/新人男優賞=細川岳(佐々木、イン、マイマイン)/新人女優賞=井頭愛海(鬼ガール!!)、服部樹咲(ミッドナイトスワン)/ワイルドバンチ賞=「ひとくず」/特別功労賞=大林宣彦、渡哲也

(寸評)今年で第16回目となる、大阪発の映画祭。邦画ベストワンは「罪の声」とは、ちょっとおおさかCFらしくない平凡な選出。洋画ベストワンもこれも当たり前すぎて面白くないですね。どうせなら監督賞、主演男優賞、脚本賞と主要部門を獲得した「一度も撃ってません」をベストワンにしたら面白いのに。8位というのも低い気がします。その代りと言うか、個人賞はなかなかユニーク。柳ゆり菜の助演女優賞、ダコタ・ジョンソンの主演女優賞、井頭愛海の新人女優賞なんかはどこの映画賞でも名前を見ない顔ぶれです。昨年も“他では無視された方々が受賞されていたり、目立たない所にも光を当てるスタンス”を褒めましたが、今年もそれは継続されてますね。えらい!。なお監督賞(阪本順治)と主演女優賞(松本穂香)は共に2年連続受賞ですが、実は二人とも大阪・堺市出身です。さすが大阪の映画祭。

なお3月7日(日)に予定されていた、ベストテン発表・個人賞表彰式及び上映会は新型コロナウイルス感染拡大防止の為、中止になりました。残念ですね。
詳細はこちら → https://www.oocf.net/


 

  スクリーン

外 国 映 画

順位

作 品 名

監  督
パラサイト 半地下の家族 ポン・ジュノ
ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 グレタ・ガーウィグ
1917 命をかけた伝令 サム・メンデス
ジョジョ・ラビット タイカ・ワイティティ
ペイン・アンド・グローリー ペドロ・アルモドバル
燃ゆる女の肖像 セリーヌ・シアマ
TENET テネット クリストファー・ノーラン
ジュディ 虹の彼方に ルパート・グールド
リチャード・ジュエル クリント・イーストウッド
フォードVSフェラーリ ジェームズ・マンゴールド

(寸評)キネ旬と同様、評論家の投票によります。こちらもキネ旬テンとは7本までが一致。キネ旬では漏れましたが、私も一押ししてる「ジョジョ・ラビット」、「リチャード・ジュエル」が入ってるのが嬉しいですね。8位に、他ではあまり見ない「ジュデイ 虹の彼方に」が入ってるのも面白い。
 

映画秘宝・ベスト20

順位

作 品 名 監  督

順位

作 品 名 監  督
フォードVSフェラーリ ジェームズ・マンゴールド 11 ジョジョ・ラビット タイカ・ワイティティ
パラサイト 半地下の家族 ポン・ジュノ 12 ランボー ラスト・ブラッド エイドリアン・グランバーグ
ミッドサマー アリ・アスター 13 ワンダーウーマン1984 パティ・ジェンキンス
TENET テネット クリストファー・ノーラン 14 透明人間 リー・ワネル
悪人伝 イ・ウォンテ 15 ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え! ディーン・パリソット
1917 命をかけた伝令 サム・メンデス 16 海辺の映画館 キネマの玉手箱 大林 宣彦
屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ ファティ・アキン 17 燃ゆる女の肖像 セリーヌ・シアマ
エクストリーム・ジョブ イ・ビョンホン 18 鵞鳥湖の夜 ディアオ・イーナン
ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー オリヴィア・ワイルド 19 Mank/マンク デヴィッド・フィンチャー
10 ブルータル・ジャスティス S・クレイグ・ザラー 19 ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密 ライアン・ジョンソン

(寸評)いつもながら、毎回楽しみな映画秘宝テン。1位の「フォードVSフェラーリ」は、いい作品には違いないですが、映画秘宝誌にしてはオーソドックス過ぎな気も。私の予想は「TENET テネット」だったのですがね。代りに、7〜10位の4本が、他では絶対ランクインしない怪作ばかり。これこそ秘宝です(笑)。5位「悪人伝」の高評価も嬉しい。日本映画が大林監督の遺作のみというのがちょっと寂しいですが。「アンダードッグ」、「初恋」くらいは入ると思ってたのですがね。それはともかくも、前年の紹介でこの雑誌が休刊になる事をお知らせしただけに、無事復刊して、今年もこうして紹介出来る事がとても嬉しいです。

 さて、恒例の「ワーストテン(はくさいアワード)」 と、併せて秘宝読者の投票によるベスト10、トホホ大賞を紹介。

 

映画秘宝はくさいアワード

  映画秘宝読者が選ぶベストテン 映画秘宝読者が選ぶトホホ映画

順位

作 品 名

監 督 順位

作 品 名

監 督

作 品 名

監 督
キャッツ トム・フーパー パラサイト 半地下の家族 ポン・ジュノ TENET テネット クリストファー・ノーラン
デッド・ドント・ダイ ジム・ジャームッシュ TENET テネット クリストファー・ノーラン デッド・ドント・ダイ ジム・ジャームッシュ
TENET テネット クリストファー・ノーラン ミッドサマー アリ・アスター キャッツ トム・フーパー
Fukushima 50 若松 節朗 ジョジョ・ラビット タイカ・ワイティティ 新解釈・三國志 福田 雄一
チャーリーズ・エンジェル エリザベス・バンクス フォードVSフェラーリ ジェームズ・マンゴールド STAND BY ME ドラえもん2 山崎貴/八木竜一
新感染半島 ファイナル・ステージ ヨン・サンホ ワンダーウーマン1984 パティ・ジェンキンス カイジ ファイナルゲーム 佐藤 東弥
STAND BY ME ドラえもん2 山崎貴/八木竜一 ランボー ラスト・ブラッド エイドリアン・グランバーグ 事故物件 怖い間取り 中田 秀夫
ワンダーウーマン1984 パティ・ジェンキンス ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 グレタ・ガーウィグ ヲタクに恋は難しい 福田 雄一
犬鳴村 清水 崇 はちどり キム・ボラ 1917 命をかけた伝令 サム・メンデス
新解釈・三國志 福田 雄一 10 ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY キャシー・ヤン 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 外崎 春雄

 

いわゆるワーストテンの「はくさいアワード」がいつも楽しみ。ワーストワンは予想通り「キャッツ」。読者でもトホホ3位に入ってます。「TENET テネット」が、選者、読者ともベスト、ワーストそれぞれの上位を占めて評価が真っ二つなのが目を惹きます。さらにベスト4位から、紹介ごとに1位づつ順位を上げてる(笑)のも面白いですね。読者のトホホに、日本映画が6本も入ってます。まあどれも納得ですね。福田雄一が相変わらずワースト常連で、今年は2本も入ってます。私は福田作品は「銀魂」以後はまったく観る気がしません。こんな監督の作品がなんでいつも興行成績がいいのかさっぱり解りませんね。「鬼滅の刃」がワースト10位なのは、客が入り過ぎてる事への反動なのでしょうね。
恒例、快楽亭ブラック師匠が選ぶ日本映画ベストテンも紹介しておきます。昨年はコロナの影響もあって劇場新作鑑賞が少なかったので(名画座の旧作は逆に沢山見たそうです)、6本止まりになりました。
@弥生、三月 君を愛した30年 Aロマンスドール B初恋 C罪の声 Dなぜ君は総理大臣になれないのか Eスマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼

 


映画芸術

日 本 映 画 ベ ス ト テ ン

日 本 映 画 ワ ー ス ト テ ン

順位

作 品 名 監  督

順位

作 品 名 監  督
れいこいるか いまおかしんじ スパイの妻 〈劇場版〉 黒沢 清
37セカンズ HIKARI 罪の声 土井 裕泰
アルプススタンドのはしの方 城定 秀夫 ミッドナイトスワン 内田 英治
本気のしるし 《劇場版》 深田 晃司 海辺の映画館 キネマの玉手箱 大林 宣彦 
ミセス・ノイズィ 天野 千尋 Fukushima 50 若松 節朗
VIDEOPHOBIA 宮崎 大祐 ばるぼら 手塚 眞
風の電話 諏訪 敦彦 浅田家! 中野 量太
喜劇 愛妻物語 足立 紳 日本独立 伊藤 俊也
影裏 大友 啓史 男はつらいよ お帰り寅さん 山田 洋次
恋するけだもの

白石 晃士

10 れいこいるか いまおかしんじ
10 子どもたちをよろしく 隅田 靖
10 ロマンスドール タナダ ユキ

(寸評)選考方法は、選者各自5本まで選出し、1位5点、以下4,3,2,1点、という採点方法は昨年と同じです。ベスト点数からワースト点数を差し引くのも同じ。いまおかしんじ監督作が1位というのが如何にも映芸らしい。「37セカンズ」が意外な高得点で、「ミセス・ノイズィ」が5位に入ってるのもユニークな所。それより、いつもながらワーストテンがまさに映芸の面目躍如。キネ旬1位、2位作品が見事に上位です。「スパイの妻」はワーストを引かなかったらベストの5位になってたはずです。「Fukushima 50」、「ばるぼら」、「日本独立」は納得です。
それから、順位にミスがあります。順位表では7位となっいる4本のうち、「風の電話」「喜劇 愛妻物語」「影裏」は6位と同点(9点)で、「恋するけだもの」は8点。8点の作品は他に2本ありますので、正しい順位は、6位が「VIDEOP-」「風の-」「愛妻-」「影裏」の4本、10位が「恋するけだもの」と、11位となっている「空に住む」「私をくいとめて」の3本、となるはずです。上では一応本誌の順位通りにしましたが、前掲のように読み替えてください。次号で訂正してくれるんでしょうね。
それにしても、選者が少ない上に1位でも5点しか与えられない為か、9点しか得票してなくてもベスト6位になるなんてね。キネ旬方式(1位10点で10本選出)ではダメなんでしょうかね。検討していただきたいと思います。

 

(4/26 追加)

日本映画ペンクラブ賞

日 本 映 画

外 国 映 画

文 化 映 画

順位

作 品 名 監  督

順位

作 品 名 監  督

順位

作 品 名 監  督
海辺の映画館 キネマの玉手箱 大林 宣彦 パラサイト 半地下の家族 ポン・ジュノ 三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 豊島  圭介
スパイの妻 〈劇場版〉 黒沢 清 ジョジョ・ラビット タイカ・ワイティティ なぜ君は総理大臣になれないのか 大島 新
アンダードッグ 武 正晴 ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 グレタ・ガーウィグ はりぼて 五百旗頭幸男、砂沢智史
罪の声 土井 裕泰 ジュディ 虹の彼方に ルパート・グールド ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩 (Ballad) 星野 哲也
朝が来る 河瀬 直美 はちどり キム・ボラ

タゴール・ソングス

佐々木 美佳

異端の鳥 ヴァーツラフ・マルホウル

ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ

田部井 一真

(寸評)日本映画ペンクラブが選定する映画賞。邦・洋それぞれ5本づつを選出。日本映画、外国映画ベスト5はまあ他とそう変りませんが、やはり文化映画が面白い。1位の「三島由紀夫vs東大全共闘」もいいですが、2,3位、そして5位(「ムヒカ−」)がいずれも、私もブログで取り上げた“政治家に関するドキュメンタリー”がランクインしてるのがとても嬉しいですね。1位もよく考えればこれも政治闘争がらみと言えるでしょう。こういうドキュメンタリーが、いずれも一般の劇場で公開された事もとても意味があると思います。是非多くの人に観ていただきたいですね。また、私も応援した「ミニシアター・エイド基金」がペンクラブ賞を受賞したのも素敵な事だと思います。
 個人賞は以下の通り。ペンクラブ賞:ミニシアター・エイド基金(コロナ禍の下、いちはやくクラウドファンディングを設立、約3万人の支援者と共に全国のミニシアターを援助した。その功績に対して) 特別功労賞:映画字幕翻訳家 戸田奈津子さん(1970年の「野生の少年」以来、数々の作品の字幕を担当し、映画字幕翻訳50周年を迎えた功労をたたえて) 特別奨励賞:ワイズ出版(1990年から、徹底したインタビューと詳細な作品データで俯瞰する、こだわりのある映画本を出し続け、日本映画の歴史を未来に伝える貴重な資料を提供、ペンの力で映画文化を支えてきたことに対して)

 

 


 

報知映画賞
賞   名 受賞者(作品) 受賞対象作品
作 品 賞  「罪の声」   (土井 裕泰 監督)  配給:東宝
主演男優賞  小栗 旬  「罪の声」
主演女優賞  水川 あさみ  「喜劇 愛妻物語」
助演男優賞  星野 源  「罪の声」
助演女優賞  蒔田 彩珠  「朝が来る」
監 督 賞  河瀬 直美  「朝が来る」
新 人 賞

 服部 樹咲

 宮沢 氷魚

 「ミッドナイトスワン」

 「his」

外国作品賞  「TENET テネット」 (クリストファー・ノーラン 監督)  
作品賞・アニメ  「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」   (外崎 春雄 監督)  
特別賞

 「三島由紀夫vs東大全共闘〜50年目の真実〜」 (豊島 圭介 監督)

 

日刊スポーツ映画大賞
賞   名 受賞者(作品) 受賞対象作品
作 品 賞  「罪の声」   (土井 裕泰 監督)  配給:東宝
監 督 賞  黒沢 清  「スパイの妻」
主演男優賞  小栗 旬  「罪の声」
主演女優賞  長澤 まさみ  「MOTHER マザー」
 「コンフィデンスマンJP プリンセス編」
助演男優賞  妻夫木 聡  「浅田家!」 「Red」 「一度も撃ってません」
助演女優賞  渡辺 真紀子  「37セカンズ」 「浅田家!」
新 人 賞  服部 樹咲  「ミッドナイトスワン」
外国語作品賞  「はちどり」   キム・ボラ監督)  配給:ギャガ
石原裕次郎賞  「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」   (外崎 春雄 監督)
石原裕次郎新人賞  岡田 健史   望み」 「ドクター・デスの遺産−BLACK FILE−」
             「弥生、三月−君を愛した30年−」
特別賞  渡 哲也



毎日映画コンクール

賞   名 受賞者(作品) 受賞対象作品
日本映画大賞  「MOTHER マザー」  大森 立嗣 監督  スターサンズ
日本映画優秀賞  「アンダードッグ」  (武 正晴 監督) 
監 督 賞  河瀬 直美  「朝が来る」 
脚 本 賞

 丸山 昇一

 「一度も撃ってません」

主演男優賞  森山 未來  「アンダードッグ」
主演女優賞  水川 あさみ  「喜劇 愛妻物語」
助演男優賞  宇野 祥平  「罪の声」
助演女優賞  蒔田 彩珠  「朝が来る」
田中絹代賞  梶 芽衣子
スポニチグランプリ

新 人 賞

 植村 侑  「赦された子どもたち」
 佳山 明  「37セカンズ」
アニメーション賞  「魔女見習いをさがして」  (佐藤順一/鎌谷悠 監督)
大藤信郎賞  「音楽」   (岩井澤 健治 監督)
ドキュメンタリー映画賞  「れいわ一揆」 原 一男 監督)
外国映画作品賞  「パラサイト 半地下の家族」 (ポン・ジュノ  監督) ビターズ・エンド
日本映画ファン賞  「ミッドナイトスワン」    (内田 英治 監督)
外国映画ファン賞

 「TENET テネット」 (クリストファー・ノーラン  監督) ワーナー・ブラザース

特 別 賞  大林 恭子

 

 

(4/26 追加)

ブルーリボン賞

賞   名

受賞者(作品) 受賞対象作品
作 品 賞  「Fukushima 50」 (若松 節朗 監督)  KADOKAWA
監 督 賞  中野 量太  「浅田家!」
主演男優賞  草g 剛  「ミッドナイトスワン」
主演女優賞  長澤 まさみ  「MOTHER マザー」
 「コンフィデンスマンJP プリンセス編」
助演男優賞  成田 凌  「糸」 「スマホを落としただけなのに
 囚われの殺人鬼」 他
助演女優賞  伊藤 沙莉  「劇場」 「ホテルローヤル」
 「十二単衣を着た悪魔」
新 人 賞

 奥平 大兼

 「MOTHER マザー」

外国作品賞

 「パラサイト 半地下の家族」 (ポン・ジュノ  監督) ビターズ・エンド

 

 

 

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