恒例の、2017年度の私の選んだワーストテンを発表します。例年の通り、単に出来の悪い作品よりも、期待している作家がその期待を大きく裏切った場合に、厳しく採点しているケースがあります。対象期間はベスト20と同様、2017年1月〜12月大阪公開作品。なお本年もワースト作品に関する作品評は無しです。というか、見終わって脱力してしまい、書く気力もなくなってしまうこうした映画、本当は見たくないのですがね。
では発表します。
順位 |
作 品 名 | 監 督 |
1 | ラストコップ THE MOVIE | 猪股 隆一 |
2 | HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION | 久保 茂昭、中茎 強 |
3 | 銀魂 | 福田 雄一 |
4 | 忍びの国 | 中村 義洋 |
5 | ポンチョに夜明けの風はらませて | 廣原 暁 |
6 | キング・アーサー | ガイ・リッチー |
7 | ナミヤ雑貨店の奇蹟 | 廣木 隆一 |
8 | ザ・マミー/呪われた砂漠の王女 | アレックス・カーツマン |
9 | 東京喰種 トーキョーグール | 萩原 健太郎 |
10 | 泥棒役者 | 西田 征史 |
次 |
亜人 | 本広 克行 |
今年度は、過去2年(2015〜2016年)ほどヒドい作品はなかったと思います。…というか、それらの年は期待してたのに裏切られた作品が多かったのに、今年度はどれもまったく期待もしてなくて、で予想通りの駄作だった、という作品が目立ちました。そんなわけで従来なら4位以下程度の、普通の凡作が並ぶ結果となりました。もう少し気合の入ったワースト作品が出ないと、選出するこちらも筆が進まないんですけどね(笑)。
1位は「ラストコップ THE
MOVIE」。日本テレビとネット配信のhuluが共同制作した刑事ドラマ…らしいです。私はまったくそんなの見ないので予備知識なしで見ましたが、あまりのスカスカぶりに呆れました。脚本も演出もお粗末極まりないし、演じてる人たちもまるでやる気なし。“ふなっしー”は脈絡なく出て来るし、ドラマと言うよりコントです。刑事ドラマのパロディのつもりなのでしょうか。だったら、「新春かくし芸大会」の出し物どまりにしておかないと。深夜のテレビでダラダラ見るくらいならまだしも、1,800円の金を取って見せるシロモノじゃありません。私はたまたま無料で見ましたが、お金払ったら「金と時間返せ!」と怒鳴りたくなったでしょう。
日本テレビと言えば、「太陽にほえろ」、「大都会 闘いの日々」、「あぶない刑事」など、数多くの優れた刑事ドラマを作って来た局でしょう。過去の名作の歴史を台無しにするこんな低劣なドラマを作って、先人たちに顔向け出来ますか。繰り返します。こんなのスクリーンにかけるな!
2位は「HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION」。 まったくつまらない。昔の東映不良アクション映画見て勉強しなさい。
3位は「銀魂」。興行的にヒットして、ベストに入れる人も多いようだけど、私にはまったくつまらなかった。そもそもこれ、コメディなのかアクションなのか、二兎を追ってどっちも中途半端な作品になってます。そのコメディ部分もさっぱり笑えません。例えば真選組の近藤勲(中村勘九郎)なる人物が、全身にハチミツ塗って裸で立ってるシーン。これ、何が面白いんでしょう。意味不明かつキモチ悪いだけ。歌舞伎俳優にこんなバカにしか見えない役やらせないでください。また、エリザベスなる、ゆるキャラみたいなカブリものが出て来るんだけれど、これ何なんでしょうね。エイリアンなのか、単に誰かが着ぐるみに入ってるだけなのか。後者なら誰がなんでそんなアホな事やってるのか、原作知らない人の為に説明してください。では前者(エイリアン)かと持ったら、後になって実はその中に主人公が入ってた、と分かるのですが、だったらやっぱりゆるキャラ着ぐるみだったって事?じゃその中に入ってた人物はどうなった?こうしたギャグやキャラクター、マンガだったら面白いのかも知れないけれど、実写には向いてないですね。アクションの方は終盤になって「るろうに剣心・伝説の最期編」みたいな展開になるのですが、くだらないギャグのせいでアクション場面もさっぱり盛り上がりません。まあ監督が福田雄一ですからハナから期待してませんが。どうしてもギャグ&アクションをやりたいのなら、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を最低50回は見てその爪の垢を煎じて飲んでから作ってください(笑)。
4位「忍びの国」。原作が和田竜なので楽しみししてたのですが、なんじゃこれはですね。失敗の最大要因は主役の大野智。周りの役者がきちんと時代劇の芝居をしてるのに、彼だけがヘラヘラしてて演技もアイドルですよ、てな感じでまったく時代劇映画に合ってません。こういうスケール感のあるアクション時代劇にこんなアイドルタレント使っちゃ絶対ダメですよ。若い頃(「忍者武芸帖・百地三太夫」の頃)の真田広之が一番適任でしたが。
監督の中村義洋は、伊坂幸太郎原作ものなんかでは持ち味を発揮して好きな監督ですが、アクションにはまったく向いてないですね。この人選もミス。主役と監督を適任者に任せておれば面白い作品になったはずなのに。困ったもんです。
5位「ポンチョに夜明けの風はらませて」。 新人だけに応援したいけど、ダメですね。
6位「キング・アーサー」。 話を捻り過ぎてとっちらかってますね。なんかシマらない。
7位「ナミヤ雑貨店の奇蹟」。タイムパラドックスに矛盾あり。未来教えちゃダメでしょ。東野圭吾原作ものはミステリー作品は秀作が多いですが、ファンタジー・SF系になると、小説では読めても映像化するとボロが出てしまいますね。
8位「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」。 どこにミイラ出てた?
9位「東京喰種 トーキョーグール」。 原作知らない観客おいてきぼり。?だらけ。
10位「泥棒役者」。 舞台なら面白いかも。映画としては芝居くさすぎ。
申し訳ありません。仕事が忙しくなって来て、ブログの更新を優先しているもので、どうしてもこちらの記事作成が後回しになってしまいます。で、時間が経つと作品の印象も薄れて(ワーストだから余計に)なかなか内容が思い出せません。という訳で一部は簡単な感想だけになってしまいました。ご了承ください。